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問題

  • 1

  • 2

中断

レベル1

STEP6

古文

  • 30分
  • センター試験対策
  • 個別大試験対策
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問題

一
次の文章を読んで、後の問いに答えよ。

ある法師、道を行きける所に、盗(ぬす)人(びと)一人行きむかつて、かの僧を頼みけるは、「見奉れば、やんごとなき御出家なり。我ならびなき悪人なれば、願はくは、御祈りをもつて我が悪心をひるがへし、善人となり候(さうら)ふやうに(注1)祈(き)誓(せい)し給(たま)へかし」と申しければ、「それこそ我が身にいとやすき事なれ」と(注2)領(りやう)掌(じやう)せAられぬ。かの盗人も返す返す頼みて、そこを去りぬ。

その後、はるかに程経て、かの僧と盗人と行きあひけり。盗人、僧の袖(そで)をひかへて、怒つて申しけるは、「我御辺を頼むといへども、その甲(か)斐(ひ)なし。祈誓し給はずや」と申しければ、僧答へていはく、「我その日より片(へん)時(し)のいとまもなく、御辺の事をこそ祈り候へ」とのたまへば、盗人申しけるは、「おことは出家の身として、そらごとをのたまふものかな。その日より悪念のみこそ起こり候へ」と申しければ、僧の謀(はかりこと)に、「にはかに喉(のど)渇きてせんかたなし」とのたまへば、盗人申しけるは、「これに井戸の侍(はべ)るぞや。我上より縄を付けて、その底へ入れ奉るべし。飽くまで水飲み給ひて、上がりBたくおぼしめし候はば、引き上げ奉らCん」と契約して、件(くだん)の井戸へおし入れけり。

かの僧、水を飲んで、「上げ給へ」とのたまふ時、盗人力を出(い)だして「えいや」と引けども、いささかも上がらず。「いかなれば」とて、さしうつぶして見れば、何しかは上がるべき、かの僧、そばなる石にしがみつきてをる程に、盗人怒つて申しけるは、「さても御辺は愚かなる人かな。その儀にては、いかが祈(き)禱(とう)もしるしあるべきや。その石はなし給へ。やすく引き上げ奉らん」といふ。

僧、盗人に申しけるは、「さればこそ、我御辺の祈念をいたすも、此(か)くのごとく候ふぞよ。いかに祈りをなすといへども、まづ御身の悪念の石を離れ給はず候ふ程に、くろがねの縄にて引き上ぐる程の祈りをすればとて、鉄(かね)の縄は切るるとも、御辺のごとく強き悪念は、善人になりがたう候ふ」と申されければ、盗人うち頷(うなづ)いて、かの僧を引き上げ奉り、足もとにひれ臥(ふ)して、「げにもかな」とて、それより(注3)元(もと)結(ゆひ)切り、すなはち僧の弟子となりて、やんごとなき善人とぞなりDにける。

(『伊(い)曾(そ)保(ほ)物(もの)語(がたり)』による)
(注) 1祈誓 ── 神仏に祈り誓うこと。 2領掌 ── 同意し承諾すること。 3元結 ── 髪をたばねて結ったもの(髻(もとどり))を結ぶ糸やひも。
問一
4
波線部A〜Dの助動詞の文法的意味と活用形の説明として誤っているものを、次のうちから一つ選び、符号で答えよ。
  • アAは受身の意味を表す「らる」の未然形
  • イBは希望の意味を表す「たし」の連用形
  • ウCは意志の意味を表す「む」の終止形
  • エDは完了の意味を表す「ぬ」の連用形
ア
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